**** 夏目漱石 ****  −「草枕」より− 山路を登りながら、こう考えた。 智に働けば角がたつ。 情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 とかくにこの世は住みにくい。 住みにくさが高じると、安いところへ 引き越したくなる。 どこへ越しても住みにくいと悟った時、 詩が生まれて、画ができる。 ……